経費精算システムと会計ソフトを連携したのに、思ったほどラクにならない。
むしろ「確認が増えた」「結局エクセルを使っている」という声も珍しくありません。
ただ、会計連携の失敗は“製品が悪い”というより、ほとんどが運用設計のズレです。
この記事では、よくある詰まりをTOP7に絞って、最小の手直しで回る状態にする方法を整理します。
この記事で分かること
- 会計連携で失敗しやすい典型パターンTOP7
- それぞれの「原因」と「最小の対策」
- 締め日にラクになる運用の整え方(順番)
結論:失敗の正体は「人の判断」が締め日に集中していること
会計連携がうまくいかない会社に共通するのは、人が判断する回数が多いことです。
しかも、その判断が締め日に集中します。
よくある状態
- 勘定科目が毎回迷う
- 税区分が担当者によってブレる
- 部門・プロジェクトが揃わない
- 証憑と仕訳が分断して二重確認になる
これを「製品選び」で解決しようとすると遠回りになります。
まずは失敗パターンを潰して、判断の回数を減らす方向に寄せるのが最短です。
失敗原因TOP7|詰まりポイントと最小対策
ここからは、実務でよく起きる順に並べます。
当てはまるものが多いほど、会計連携の“効果”が出ていない可能性が高いです。
TOP1:仕訳の粒度が合っていない(明細or集約のズレ)
会計連携で最初に詰まるのが、仕訳を明細で出すのか/まとめるのかです。
粒度が合わないと、後から手直しが増え、結局「手作業」が残ります。
最小の対策
- いまの締め作業で「どこが一番時間を食っているか」を1回だけ確認
- 監査・追跡重視なら明細寄り、件数削減なら集約寄りに寄せる
- まずは“初回締めが回る粒度”にして、あとから調整できる形にする
TOP2:勘定科目が属人化している(入力はできても仕訳が揃わない)
経費精算は入力できても、勘定科目が人によって違うと、会計側で修正が発生します。
ここが積み上がると、連携している意味が薄れます。
最小の対策
- よくある支出は「勘定科目のルール」を固定(迷う回数を減らす)
- 例外だけ管理側が判断する設計に寄せる
- 「迷ったらこれ」を1つ作る(暫定科目や共通科目など)
TOP3:部門・プロジェクトの扱いが曖昧(誰の費用か揃わない)
部門・プロジェクトがある会社は、ここで手戻りが増えやすいです。
申請者の所属と費用負担部門がズレる運用だと、会計側で調整が発生します。
最小の対策
- 部門は「申請者所属で固定」か「費用負担部門を選択」かを決める
- プロジェクトは必須/任意を決め、任意なら入力の迷いを減らす
- 逃げ先(共通部門・共通PJ)を用意して締め日に止めない
TOP4:税区分(インボイス含む)が毎回“人判断”になっている
税区分は難しく見えますが、運用で詰まる原因は単純で、判断が多いことです。
判断が増えるほど、締め日に確認が集中します。
最小の対策
- 頻出支出は税区分を固定して、現場で迷わないようにする
- 例外だけ管理側が見る(全件確認をやめる)
- 証憑とセットで判断できる流れを作り、二重確認を避ける
TOP5:証憑(領収書)確認が仕訳確認と分断している(二重チェック)
証憑は経費精算で見て、仕訳は会計側で見ている。
この分断があると、同じ内容を2回確認することになり、工数が減りません。
最小の対策
- 証憑確認の責任範囲を決める(どこまで誰が見るか)
- 仕訳と証憑が紐づく形で追える状態に寄せる
- 「確認が必要な例外」だけが浮き上がる運用にする
TOP6:承認フローが締め日に寄っている(申請・承認の渋滞)
会計連携以前に、承認が止まって締め日に申請が集中していると、連携の恩恵が出ません。
会計は“最後”なので、上流が詰まるほど月末が荒れます。
最小の対策
- 申請締め・承認締めのタイミングを分ける(締め日を1日に集約しない)
- 承認者の代理・期限超過の扱いを決めて止めない
- 差し戻しが多いなら、入力ルールを先に整える
TOP7:例外対応(紛失・再発行・立替混在)が運用に入っていない
運用が崩れるのは、例外が出たときです。
例外の扱いが決まっていないと、締め日直前に判断が発生し、止まります。
最小の対策
- よくある例外(紛失・再発行・但し書き)を先に型化する
- 例外は「申請時に分かるようにする」だけでも締めがラクになる
- 例外の承認ルートを固定して、判断を減らす
失敗を直す順番|まず「締め日に止まる原因」から潰す
全部を一気に直す必要はありません。
効果が出やすい順番は次の通りです。
- 承認の渋滞(締めに間に合わない原因を潰す)
- 仕訳の粒度(手直しが増える原因を潰す)
- 部門・プロジェクト(月次が使えなくなる原因を潰す)
- 税区分(確認工数が増える原因を潰す)
- 証憑分断(二重チェックを減らす)
ポイント
会計連携は、運用しながら整えるものです。最初は「初回の締めが回る状態」を作り、詰まりだけ順に直すのが一番早いです。
まとめ:会計連携は「判断を減らす」ほど成果が出る
会計連携が失敗する典型は、締め日に判断が集中することです。
逆に、判断の回数を減らし、例外だけが浮き上がる運用にできれば、経費精算は月末の静けさまで作れます。
失敗TOP7(おさらい)
- 仕訳粒度のズレ
- 勘定科目の属人化
- 部門・プロジェクトの曖昧さ
- 税区分が人判断
- 証憑と仕訳の分断
- 承認フローの渋滞
- 例外対応が運用にない
当てはまるものが多いほど、改善余地が大きいです。
まずは1つだけでも潰すと、締め日の体感が変わります。