経費精算×会計ソフト連携の選び方|転記地獄を終わらせるポイント

経費精算×会計ソフト連携の選び方|転記地獄を終わらせるポイント

経費精算がラクにならない原因の多くは「会計への転記」。仕訳粒度、部門・プロジェクト、税区分、証憑の扱いで詰まらないための選び方と、導入前に決めるべき運用ルールを実務目線で解説します。

経費精算×会計ソフト連携の選び方|“転記地獄”を終わらせる実務ポイント

経費精算システムを入れても、思ったほどラクにならない。
その原因で一番多いのが、会計への転記(仕訳づくり)です。

入力自体はオンラインで終わっても、

  • 勘定科目の判断
  • 部門・プロジェクトの振り分け
  • 税区分の確認
  • 証憑(領収書・請求書)の突合せ

が残ると、結局「管理側の仕事」は減りません。

この記事で分かること

  • 会計連携で失敗しやすいポイント(先に避けられる)
  • 会計連携を選ぶときに見るべき判断軸
  • 導入前に決めるとラクになる“運用ルール”の最小セット

結論:会計連携は「ツール選び」より“連携の設計”が9割

先に結論を言うと、会計連携でラクになるかどうかは、ツールのスペックより連携の設計で決まります。

ラクになる会社の共通点

  • 仕訳の作り方(粒度)を決めている
  • 部門・プロジェクトの扱いを統一している
  • 税区分の判断を“人”に寄せすぎていない

逆に言うと、ここが曖昧なままだと、どのサービスでも「最後は手作業」が残ってしまいます。


会計連携が必要な会社のサイン(当てはまれば優先度が高い)

  • 月末・締め日に、会計転記が山になる
  • 経費精算は終わったのに、月次が遅れる
  • 勘定科目や税区分が担当者ごとにブレる
  • 部門やプロジェクトの振り分けが面倒
  • 証憑の確認と仕訳の確認が二重になっている

当てはまるほど、会計連携は「便利機能」ではなく、業務のボトルネック解消になります。


見るべき判断軸は4つだけ(比較を増やさない)

会計連携は機能が多く見えますが、比較軸を増やすほど迷います。
見るべきは次の4つだけです。

判断軸ここが重要な理由
① 仕訳の粒度(明細/まとめ)粒度が合わないと、後で手直しが増えて「結局手作業」になりやすい
② 部門・プロジェクト等の管理軸経費をどこに帰属させるかがブレると、月次の数字が使えなくなる
③ 税区分・インボイス周り税区分が毎回人の判断になると、確認工数が増えて締めが荒れる
④ 証憑と仕訳の紐づけ証憑の確認が別作業になると、二重チェックになりやすい

コツ

「高機能かどうか」より、自社の運用に合うかだけを見てください。勤怠と同じで、経理系は相性で決まります。


① 仕訳の粒度で失敗しない考え方

仕訳の粒度は、ざっくり言うと次の2択です。

  • 明細で仕訳化:経費1件ずつが仕訳になる(追跡しやすいが件数が増える)
  • まとめて仕訳化:申請単位や一定ルールで集約(件数は減るが設計が重要)

どちらが正解かは会社の運用次第ですが、迷ったら次で判断すると早いです。

判断の目安

  • チェックが細かい/監査対応が重い → 明細寄り
  • 件数が多く、転記を減らしたい → 集約寄り

重要なのは、「あとから変えられるか」です。最初から完璧を狙うより、初回の締めが回る設計を優先してください。


② 部門・プロジェクトがある会社は、ここで詰まる

部門・プロジェクトがある会社は、経費を「どこに帰属させるか」で揉めます。
ここが曖昧だと、経費精算は終わっても、会計側で手直しが発生します。

導入前に決める最小ルール

  • 部門は「申請者の所属」で固定するのか、「費用負担部門」を選ぶのか
  • プロジェクトは必須にするのか、該当時のみ選択にするのか
  • 迷ったときの“逃げ先”を作る(例:共通部門/共通プロジェクト)

この3つを先に決めておくと、会計連携の比較が一気にラクになります。


③ 税区分・インボイスで工数が増える会社の特徴

税区分で詰まる会社は、だいたい「判断が属人化」しています。
結果として、確認が増え、締め日に負荷が集中します。

ラクにする方向性

  • よくある支出は、ルールで固定して迷いを減らす
  • 例外だけ、管理側が判断する設計に寄せる
  • 証憑とセットで確認できる形にして、二重チェックを避ける

税区分は難しい話に見えますが、現場が迷わないように判断の回数を減らすだけで、運用は安定します。


④ 証憑と仕訳が分断していると、二重作業になる

会計連携で意外と見落とされがちなのが、証憑(領収書)と仕訳の関係です。

  • 証憑は経費精算で確認
  • 仕訳は会計側で確認

この分断があると、同じ内容を二回チェックすることになり、工数が減りません
連携を検討するときは、「証憑確認と仕訳確認を一連の流れにできるか」を意識してください。


導入前に決めるとラクになる“最小セット”(これだけでOK)

会計連携を成功させるには、ツール比較の前に、次の4点だけ決めると効果が出やすいです。

  1. 仕訳の粒度:明細寄り/集約寄り
  2. 部門・プロジェクト:必須か任意か、迷ったときの逃げ先
  3. 税区分:よくある支出は固定ルール化
  4. 締めの流れ:申請締め→承認締め→会計転記の順番

重要

最初から完璧を狙わず、初回の締めを回して詰まりを直す方が早いです。会計連携は“運用しながら整える”が正解です。


まとめ:会計連携でラクになる会社は「判断を減らす設計」ができている

会計連携は、機能を増やす話ではありません。
人が判断する回数を減らし、締め日に集中する仕事を分散するための設計です。

最後にもう一度:見るべき4軸

  • 仕訳の粒度(明細/まとめ)
  • 部門・プロジェクトの扱い
  • 税区分・インボイス周り
  • 証憑と仕訳の紐づけ

この4つが自社の運用に合う形で揃えば、経費精算は「入力をラクにする」だけでなく、月末の静けさまで作れます。